もち動物病院日記

その日、その日を大切に。

先日、2年間担当させて頂いたワンちゃんが亡くなりました。

2年前、とても珍しい病気だということが検査でわかり、優秀な2次診療施設のとある先生とともに、ここまで治療をすすめてきました。

個人の特定につながるといけないので、詳しいことは書けないのですが、正式な症例報告は国内では数件しかなく治療が確立されておらず、私も2次診療施設の先生も、言うなれば、手探りでここまでやってきました。

おそらく、一生忘れられない患者さんです。

患者さんが亡くなると、獣医も一応人間なので、悲しいです。悲しみが細かい霧のように、すっぽり身体を覆ってしまいます。

でも獣医として、プロであればあるほど、うまく切り替えて、次の診療へ立ち向かうのだと思います。

でも、今回の霧は、なかなか深いのかもしれません。

話はすこし逸れますが、動物というのはいとも簡単に、まわりの環境(家族もふくめて)を、まるごと、精一杯愛することができます。ありのままの環境を。疑う余地もなく。

どうしてそれが、人間にはこんなに難しいのだろう?と思います。

もし、今日一日、すべてのヒトがそれをできたら、世の中は間違いなく良くなるのに、と最近、思うのです。