微量で、身体に多大な影響を与える物質、ホルモン。
ホルモンが関連する疾患を”内分泌疾患”といいますが、その症状は実にさまざま。
同じ特定のホルモンによる疾患であっても、ある子では元気がなくなったり、ある子では喉がかわいたり、ある子では皮膚病が治りにくかったり。
いろいろな表情をみせ、診断がつくまでは獣医泣かせで、でも、診断がついたら、コントロールしていくことに集中できる、そして上手にコントロールできたらかなりの生活の質の改善ができる、そんな病気がたくさんあります。
そんな病気のなかの一つで、有名なのが糖尿病です。
今、うちの病院でたまたま糖尿病のかわいいネコちゃんをお預かりしているのですが、毎日規則正しく、決まった量の食事、インスリンのお注射をします。
病院だから、もちろん可能ですが、これを普段、毎日一般のご家庭でされている飼い主さんはやはり大変だと思います。
獣医になりたての頃、悪戦苦闘した糖尿病のダックスさんのお母さんに、「先生、私、もう疲れた。」と言われたことがあります。
結果的にはうまくコントロールできて、元気になったのですが、そこまでの道のりが長かった。。。
病気と向き合うのに必死で、飼い主さんの負担を軽視していたあの頃の私を時々、その言葉とともに思い出すのです。
「もう疲れた。」
飼い主さんの負担を、心配を、一緒に背負えるような獣医でいたいです。